帰り道、突然 現れた
可愛い女の子。

制服が違うから、
家の高校じゃない事は確かなんだけど。

なにより、
ヨソの高校まで
コイツの事が知れ渡ってるのか…ってのに驚いた。


「お前さぁ…
折角、天からの充分な恵みを貰ってんのに
一体 何が不満な訳?」

この世に生まれて17年。
まだ「人生に一度来るモテ期」ってやつを
体験した事ないオレとしては
「羨ましい」以外の何物でもない。


「お前は誰かと付き合いたいって思ってるのか?」

「当たり前の事、ゆーなよなぁ〜!!
オレだって健全な17歳なんだぜ。」


そりゃ
好きなやつとかがいる訳じゃないけど、
誰かと付き合うってのが
どんな感じなのかとか…………

そこでオレは、
はっ!!っと思い当たるフシがあり、足を止める。


「どうした?また先輩に
どやされるぞ?」

「凜、お前さ、
もしかして好きな奴いるんだろ??」


そうか!!
だから今まで どんなに告白されても
誰とも付き合わずにいたんだ!!

「好きな奴……??」

「なんだー!!
お前、結構 一途なとこ
あんじゃん!!

しかし気付かなかったなぁ!!!

そーか!!そーか!!」


凜はオレの顔を
眉をひそめつつ
眺めてる。

複雑な表情。

「なんだよ!心配すんなって!!
頑張れよ!!
お前さ、顔 いーんだし、
性格も悪くねーしさ!

オレ、応援してるからさぁっ!!」


凜は、困ったように
軽く笑い、
オレの頭をぽんっ!と
軽く叩いた。

「いてっ!!」

「さんきゅーな。」

そう言って走り出す。


しかしなー。
そっか、そっか!!

女の子に対して
むすっ!!っとしてるだけかと思ってたけど。

アイツにも
色々、考えてる部分は
あるんだなぁ……。

なんだか勝手に顔がにやつくよーな変な気分。