虹色の騎士団

……………………………………

風に乗って、

リンの耳元まで
微かな
美しい歌声が流れてきて、

思わず立ち止まる。

「そっか……。

今日は、祈りの日か…。」


音の聞こえる方向へと
足を進めていくと、

次第に「彼女」の歌声が良く聞こえるようになってきた。


【……この地を守りし、

夜の虹………。

我が声、我が祈りを聞き届けたまえ………】

「…………。」

庭園の真ん中に作られた
舞殿で、

ヒナタが歌っている…。


舞姫の正装である
ゆったりとした
薄くフワフワとした服を纏い、

くるり…くるり…と
踊りながら、

祈りを捧げる歌を口ずさむ。


赤い夕焼けの光に照らされた その姿は

空から遣わされた天女のように純粋で…

とても綺麗だった………。