ポタリ…と音がして、
滝の水飛沫とは温度も大きさも違う雫が、

俯いた日向の頬を静かに伝い、ハーフパンツの柔らかい布地に染み込んでいく…。

それで初めて自分が泣いている事に気付き、日向は驚いて目を擦る。

しかし溢れる涙は、本人の意志とは関係ないもののかのように…

止まってはくれない…。

…痛い…悲しい…。

日向は膝を抱えて、理由も分からないまま泣き続けた…。


その涙は………

今を生きる凛の為に、自らの想い断ち切ったのであろう

優しいヒナタの魂が流した涙……。


流れ落ちる水音と、
優しく降り注ぐ水飛沫は

そんな日向と、その魂を包みこむように、

ただただ癒しの気配を漂わせながら、いつまでも変わらぬ美しさを見せていた。