「…そっか…。

…やっぱ、しっかり練習して慣らしていかないと駄目って事なんだな…!」

支えている凛の腕を軽く押して、日向は自分の足で立ち上がる。

さっきまで座っていた岩まで行き、腰を下ろし、

泥のついた足を水に浸して汚れを落とす。

「オレ、もう少しここで1人で練習してく。」

日向は凛に背中を向けたまま、そう告げる。

「…じゃあ、俺は森の中走ってくる…。

しばらくしたら、迎えに来るから…一緒に帰ろう。」

「…うん。」

日向の返事を聞き、凛は森の中へと走っていった…。

遠ざかる足音を聞きながら…

自分の胸をギュッ…と掴む。

何だか…心が酷く痛い………。