虹色の騎士団

「俺は………。」

心の中を見透かしたようなヒナタの言葉に、結局それ以上…何も言えない。


日向を初めて見た時、

この新しい命を守っていく事で、ヒナタとレオンの魂をも守れる…。

何も出来ずに生き延びてしまった自分が、2人に出来る事は…それしかないから…。

そう思っていた。

最初は、ヒナタを重ねて見ていた。

香澄が作る、ヒナタの好物を嬉しそうに頬張る幼い日向を見ていると、

まるで…あの神殿の食堂で、ヒナタと共に食事をしていたあの頃に戻ったようで、

楽しくもあり、また、何か寂しさも感じていた。


いつからだろう。

寂しさが。

あの神殿の思い出が。

日向との新しい日々に変わって行ったのは…。