虹色の騎士団

「カスミ特製ホットケーキか…。

だったら、こうしちゃいられないな!」

「あ!!
ずるい!!

待ってよ、レオン!!」

競争するように走り出した2人の後ろ姿を、

カナタとカスミは
のんびり見送った。


「そういえば

頼まれていた医学書が届いていたので

部屋に運んでおきましたよ。」


「そうか…。

煩い仔犬もいなくなった事だし、

早速…」


「あ。

それじゃあ、

後で
簡単な食事を運びますから、

きちんと食べて下さいね。」


「……朝は、取らない主義だ……。」


「また、そんな事言って……。」

いつものカナタの
我が儘に、

軽く
ため息をつきながら、

今度はリンの方に話を振る。

「リン君も朝ご飯、
まだですよね?」


「すいません…。

俺、

まだ、
鍛練の途中で…。」

「ふふっ…!

そう言えば、
途中でヒナタに邪魔されたんでしたね。」


「これが済んだら
食べに行きますんで。」

そう言うと、

リンは
黙々と素振りを始める。