虹色の騎士団

「実は、この力を使った依頼は多いから、

俺も叔父さんも、お祖父様の残してくださったお金が無くても

本当は、何不自由無く生きていける。

ただ…

流石に こんな家を作るには、当然お祖父様の力を借りなければ無理だった。

…父はね、
『この建物は、誠の人生最大の贅沢品であり、人生初の馬鹿な無駄遣いだ。』なんて言っては、よく笑っていたっけ…」

そう言って、本当に楽しそうに真宵は笑う。

はー…なんか…

家同様、物凄くスケールのデカイ話だなぁ…。

「…ここは、普通のお寺で言う所の、本堂のような部屋だよ。」

長い廊下から続く襖を開けると、
板張りと畳の床が混じった部屋の中央に、
祭壇みたいなのが作られていて、

その上には、木で作られたサイズの小さな女の子の像が飾られている。

「これは…?」

「父が作った物だよ。

実際の仏像の様な物ではないけれど…

父が言うには、陽光を纏う虹の天女の姿を模したらしい。」

「陽光を纏う虹の天女…」