虹色の騎士団

しかし…これだけ改装したとなると、
物凄くお金かかったんじゃ……。

さっき思った『掃除』の問題だって、絶対に誠さん1人で出来る広さじゃないし…。

オレが素朴な疑問を口にすると、あっさりと答えてくれる。

「家は代々、不思議な力を持って産まれた者が多かったらしいんだけど、

お祖父様は、この力がなかった代わりに商才があられてね。

国内外で色々と上手くやったらしく、
一代で相当な財産を築きあげたんだ。」

…じゃあ、もしかして真宵は巨大会社の御曹司的な…?

「もっとも…

商売の方は自分の代だけでキッパリ他人に任せて

叔父さんにも父にも、こちらの道に進むように仰られたらしい。

天から与えられた力を無駄にするな、ってね。」

へー…なんか…。

「立派な人だったんだな……。」

オレがそう言うと、真宵は少し照れたように笑う。

「俺の憧れの人だよ。」

うん、それ凄く分かる。

人間としての器がデカい人だったんだな…。

「因みに掃除は、叔父の趣味と体力作りの一環でね…。

一応『修行場』として存在する家だから

年中、叔父以外にも誰かしら居るし、

叔父を真似て、体力作りのトレーニングのつもりでまめに手伝いに来てくれる人も多いみたいだけれど、

あの速さを生かして、結構1人でやってしまうみたいだよ。

…それが出来ないのなら、こんな無駄に広い家に住んでいる資格もないとは思うけどね。」

…真宵、誠さんに対しては本当に手厳しいというか、容赦がないというか…。