虹色の騎士団

最後に長い石段を上がり、大きな門に着くと、

中から『ビュンッ!』っと空気を切るような音が聞こえて来た…。

未来と同じように動きやすい軽装をした凛が、

もの凄く広い庭の、ある一ヶ所で

真剣な顔して黒い木刀を振っている…。

さっきから聞こえている『ビュン!』は、あの木刀を降り下ろす時に響く音だったのか…。

「凛!!!」

大声で呼び掛けると、ようやくオレ達の存在に気付き、こちらを見た。

「日向………。」

少し微笑んだ凛に近寄り、背中をバシーッ!!と強めに叩く。

「はー!!何か久々な感じだよなー!

お前も未来も、何の連絡も無しに出掛けるから、

どこ行ったのかと思って心配したんだぞー!!」

昔から殆んど一緒に居たので、居なくなるとやっぱ寂しい。

会えて嬉しかったので、素直にニコニコと機嫌良く笑いかけると、

…何故か凛が顔を赤らめて、オレから目を反らす。

「……そんなに久々って訳でもないけど……相変わらず破壊力あるな……。」

「………?」

破壊力?

「うん、分かるよー凛…。
ぼくもさー、ヤバいーって思ったもん…。」

未来がオレの隣に来て、うんうんと頷いてる。

…ちょっと背中、強く叩き過ぎたかな…??