虹色の騎士団

「毎朝、毎朝、
お前達も、よく飽きないな……」

いつの間に来たのか…。

噴水の脇を通り、
「冷水の騎士」カナタが
姿を見せる。

「聞いてよ!カナタ!

レオンったら酷いのよ!!!」

味方を見つけたとばかりに、

カナタに駆け寄る。


「ヒナタ。

舞乙女が、バタバタ走るな。

見苦しい。」


「う~!!

そんな言い方する事ないでしょ!!

カナタの冷凍人間っ!」


「………。

人を けなしたいのなら、
もう少し言葉の勉強をしてから出直すんだな。」


口でカナタに敵う訳もなく……。

いつもの事ながら、

ヒナタは、
仔犬のように

その場で、
う~う~唸りだしてしまった。


「まあまあ、2人共。

その位にしておいて、

もうそろそろ食堂に行きましょう。」



唸り続けるヒナタに
聞こえるように…。

大きめの声で
カスミは
『とっておき』を出した。

「今朝は、
ホットケーキもありますよ。

折角、焼きたてなのに、
のんびりしてたら
冷めちゃいますねー…。」



大好きな甘い物の誘惑に、
可愛らしい
「怒れる仔犬」は
たちまち瞳を輝かせた。


「ほんとっ?!

もしかして、カスミ特製ホットケーキっ?!」


「勿論、
ヒナタの好きな
ハチミツと木苺のジャム付きです。」


「やったぁっ♪

カスミ大好きっ!!!」


頬を薔薇色に染めて、
喜び、

腕にぎゅっ!っとしがみついてきた
ヒナタの髪を

優しく微笑みながら、

カスミは綺麗に撫でとかしてやる。