虹色の騎士団

それは、

この世界とは遠く離れた

異世界での話…。


……………………………………

「はっ…!はっ…!!」

日の光を浴びて、

涼しげな噴水が
キラキラと飛沫を飛ばす。

「今日も朝から
1人で剣の お稽古?」


誰もいないはずの中庭で、

「烈火の騎士」リンは、

突然、「誰か」に声をかけられた。


一度、振り上げた剣を下げて、

声の主にペコリ…と一礼する。

「前にも お願いしたはずなんですけど、

お稽古…じゃなくて…

鍛練って言ってもらえると嬉しいんですが…。」


「呼び方なんて、こだわる必要あるのかしら?

リンは、本当に頑固なんだから!!」

「虹の舞乙女」と呼ばれる
可愛らしい歌姫、ヒナタは

そう言って、
楽しそうにクスクスと笑った。


「こら、ヒナタ。

また真面目なリンをからかって遊んでるのか?」


そこへ、

「陽光の騎士」レオンが
通りかかり、

ヒナタの頭に
右手を軽く乗せた。

彼の後ろには、

「緑風の騎士」カスミが、
書類の入った薄いファイルを胸に抱え、

柔らかく微笑んでいる。