「凛君、大丈夫ですか…?」 心配して声をかけた兄貴に、 凛は軽く頭を下げて答える。 「すいません…。 俺は大丈夫ですから、 ……気にせずに、 話を進めて下さい。」 「……分かりました。 それでは、始めましょう。」 隣にいるオレを、 じっ…と見つめ、 ゆっくりとした口調で兄貴が話しだす。 「これから兄さんが話すのは、 今の日向君には 信じがたい… まるで、おとぎの国の物語のような話です。 だけど、 まずは… とにかく最後まで聞いてくれると 兄さんに約束してくださいね…。」