「では、もうそろそろ出掛けましょうか。」

2人で玄関を出ると、
いつもの場所で凛と未来が待っていた。

残りの2人とは、駅で待ち合わせなので、

とりあえず4人で歩き出す。

「いー天気になりそーだねぇ♪」

「ええ、本当に。
何だか、わくわくしますね。」

兄貴達の会話を聞いてるだけでも、
なんか「行楽感」が高まって来て嬉しい♪

「日向、足元気をつけろよ。」

凛に、お父さんみたいな注意されても別に気にならないし!


去年の夏休みだって、勿論楽しかったけど、

なんか今年の方が、より楽しい気がするんだよなー。

結局毎年、そんな風に同じような事を考えて、

『その年々の夏休み』を、満喫するんだけどさ。


駅は、人混みに溢れていた。

待ち合わせっぽい感じでキョロキョロしてる人がいたり、

スーツ着て、いかにも「これから出勤です」って感じの人達は、
無表情のまま、巣箱に帰る蜂みたいに駅を目指して早歩きしてたり。

勿論、逆に駅から出てくる人も、かなりいる。