虹色の騎士団

「…眠いんだな。無理するなよ…。」

「眠くないっ…！！」

ちょっと呆れたように言われて思わず強めに否定してしまう。

だって…節介、夏休み始まったのに…

楽しいのに寝たくない……。

しばらくして、ウトウトしてワケわかんなくなった頃…

「ほら…日向…。
取りあえず、少しベッドで寝ような…。」

ゆらり…と身体を持ち上げられる感覚がする。

ふわふわしてて気持ちいい…。

昔、よく兄貴がこうしてリビングから自分の部屋に運ばれた時の事を思い出す…。

ゆらゆらして気持ちいい時間を少しでも長引かせたくて…

あの頃と同じように、兄貴の首に手を回して、ギューっとしがみついた。