虹色の騎士団

真宵が立ち上がり、
オレの側まで来て、

白い指でオレの涙を拭ってくれる…。

「…父の為に泣いてくれているんだね……。

ありがとう、日向…。
父も喜んでいるよ…。」

オレの頭を、そっ…と自分の胸につけ、優しく抱きしめられた。

「父はね…今、自分が死んでしまう事で、

新しい騎士の成長が、日向の覚醒に間に合わない事を最後まで心配していたんだ。

だから…、ずっと苦しみ、悩んだ結果、

亡くなる直前になって俺の中に『騎士の力』を無理やり移したんだよ。」

オレを抱きしめる力が
ほんの少し強くなる。

「力に認めてもらうまでは…俺も かなり苦しんだ…。

安定する所か…

暴れる力が俺の身体を中から
ズタズタに引き裂き、
飛び出そうともがいた…。

だけど、ようやく騎士として認められ、キミに会う事が出来た…。」