虹色の騎士団

静かに目を閉じた真宵の身体から、冷気が立ち上ぼる。

染み込むように…

髪の色が黒から藍に変わっていき、
途中、すっ…と開いた瞳も青くなった…。

廊下で見た時と同じ姿になった後、
ゆっくりと腕を振るうと…

熱いコーヒーがマグカップごと凍りつく。

真宵の持つ騎士の力は『氷』なのか……。

「まさか…そんな…本当に……!」

固まった表情のまま、兄貴が呟く。

「人は、自らの眼で
それを見つめても…。

真実を真実として捉える事は難しい…か…。

本当にそうだね…。」

真宵は、少し寂しそうに笑う。