虹色の騎士団

鏡を胸に抱いたまま、オレに向かって
兄貴が頭をたれる。

「緑風の騎士、香澄。」


複雑な表情を浮かべながら、
凛も口を開く。

「烈火の騎士、凛…。



なんだか面白そうな表情を浮かべ、
先生はオレを見つめたまま言った。

「同じく。
冷水の騎士、彼方。

虹色の騎士団、
唯今、復活…。

ま。そんな所か…。」


「そして、貴方は
陽光の舞騎士、日向…。」

兄貴がオレの手を優しく握りしめる。

「僕達騎士の、
大切な
護るべき存在…」


「ち、ちょっと待った!!

なんなんだよ!!

その恥ずかしい…
び、美少女戦士の名乗りシーンみたいなヤツ…!

自分らが名乗るのは勝手だけどさ!!

人の名前の前にまで
それ付けて呼ぶなよ!

オレまで勝手にチームです♪みたいに言うの
止めてくれよっ!」

兄貴の手を振りほどき、
ここぞとばかりに
息の続く限り、
思い切りまくし立てる。


「は、はずかしい…って…。」

兄貴は、びっくりしたような顔してるけど、

びっくりしたいのはオレだっつーの!!!

「ビジュアルバンドか何かやりたいっつーなら
勝手にやってくれよ!

何だよ!
こんな手のこんだ事して……」