虹色の騎士団

「…いつまでも、ここにいる訳にはいかないね。

俺もトイレを理由に抜け出して来ただけだし」

言われて気付く。

保健室に行くって言って
出てきたのに、

こんな所で立ち話なんかしてて担任に見つかったら、マズイ…!!

「とにかく…彼方先生の所に行こう。

話は、それからだ。」

「ああ、そうしたい所だけど…」

真宵は、自分の耳朶を軽く弄る。

「俺達は、同じクラスに居る『普通』の学生だ。

…同時に3人が居なくなる訳にはいかないよ。

だから…」


長い髪を揺らし、クルリ…と後ろを向く。

「また、後でね…」

そのまま、教室に向かって歩きだす…。

その途中、背中で揺れる髪が、
すーっ…と黒い色に戻る。


…オレ達が、
声もかけられないでいる内に、

真宵は、静かに離れた教室まで歩き、
後ろの扉から中に入って行ってしまった。