虹色の騎士団

とにかく、
早く離れたい!!

そう思って
有らん限りの力で抵抗するも…。

こいつ、
細身のわりに、

力だけはオレより
強いらしい……。


相変わらず、
オレの唇は
塞がれたまま…。

水のようにサラサラとした長い髪が、

オレの横顔を滑り、

ソファーへと
流れ落ちる…。


その時、

オレは
「ある変化」に
気付き始めた。


先生の
冷たい唇から、

熱い「何か」が
オレの中へと流れ込み、

オレの身体中で
暴れ始めた…。

苦しいような。

切ないような。

不思議な感覚に

自然と吐息が洩れ、

頬が熱くなる。


ふ…と、
彼方先生が唇を放し、

耳元で囁く。

「ほら…。

出来上がりだ…。」

身体が…熱い…。

「でき…あがり…?」

彼方先生が立ち上がると、

今度は兄貴が
ソファーの脇の床に
すっ…と腰を下ろし、

手に持った四角い鏡を
オレに見える角度で
差し出す。


鏡の中にいるオレは…。

3人同様、「色」が
違っていた。


暖かいオレンジ色の
髪、瞳…。


「これ…オレ…?

なん…で…?」