「ぼくや彼方が、いくら慰めても効果ないんだよ…。

…分かるよね?」

オレは頷き、ベットから
立ち上がり


そのままリビングへ入っていった。

ソファーにいた彼方先生が「おや?」という感じでオレを見たけど

構わず、カウンターを越えて兄貴の前に立つ。

驚いてオレを見る
兄貴の手をギュッ!と握りしめて、口を開く。

「兄貴!!

オレ、兄貴がいなきゃ死んでた。」

「日向君…!!

…っ!!

死ぬなんて軽々しく…!!!」

「でも、それは事実だ。」

険しい顔で怒り出す兄貴の言葉の終わりを待たずに、続けて言う。

「オレの側にいてくれて、
オレを守ってくれたのは、香澄兄ちゃんだろ!!!」