虹色の騎士団

「廊下を歩いていたら、
聞こえたんです…。

ヒナタがいつも歌っていた…あの歌が………」

「…ああ。」

「懐かしくて…もっと聞きたくなって……

廊下で立ち止まっていたら………

声が止まって…嫌な気配が………」

香澄は、ぼろぼろと涙を流し始める。

「香澄…もうよせ…」

「お風呂場で…
日向君が襲われているのを見た時……

魔なる者が居なくなった瞬間…

日向君の青白い顔が湯船に沈んでいって………」

彼方は、震える香澄を強く抱きしめる。

「僕は…本当に自分の心が、壊れてしまうと思いました…。

レオン君を失い、ヒナタも魂だけになり…

この上…

大切な日向君まで
僕の前から居なくなってしまったら……

もう……。」