オレは、頭の中にある
『ヒナタ』の思い出を探り出す。

思い出したのは、
ヒナタが舞殿で
よく歌っていた
『祈りの歌』。

それは、乙女の魂に刻まれた歌じゃなくて、

向こうの世界の神官達の間で歌い継がれて来た

『乙女の為の讃美歌』

みたいな感じの歌。


大地と太陽。

空と海。

そして、自分の事を守ってくれる騎士達に

感謝と愛、
そして深い祈りを捧げる歌。


歌詞の中に、

『夜の虹』ってのが
出てくるんだけど、

あっちの世界を
守ってくれるという
不思議な力を持った伝説の虹なんだそうだ。

因みに、兄貴達がオレを連れてこっちに来た時も、夜の虹を通ったらしい。