虹色の騎士団

「可愛い日向が
理解した所でー……

早速、出掛けて
皆でカラオケ大会~♪」

未来の掛け声で、
全員が玄関に向かって
歩き出す。

遊びにでも行くような気軽さに、思わず口が開く。

「ち、ちょっと待てよ!
これって、
舞乙女としての大事な訓練なんだよな?

そんなノリでいーのかよ!!」

「苦しい特訓が
必要な場合もありますが、
歌の場合、
まずは、皆で楽しんだ方がいいんですよ。」

兄貴がアッサリ言う。

…なんか以前にも
こんな問答したような
気がする。

いつだっけ?

「要はまずー、歌う事を
好きにならなきゃねー♪」

ああ…なるほど…。
そーゆー事か………。

「カラオケなんて久々だな。」

凛が、靴を履きながら
ぽそり…と呟く。

そーだよな。

前回言ったのだって、
確か、大分前だった。

他の友達は、
よく行ってるみたいな話も聞くし、

バンドやってるやつとかは、
時間があると歌いに行って練習してるとか言ってたけど

オレも凛も歌う事に
あんま、興味ないし。