しかし…ヒナタと兄貴が
そんな本を見つけたって事も、オレは覚えがない。
…やっぱ、
まだまだ全部思い出したって訳じゃないんだな…。
それにしても…
「必要になったら歌えるんだよな?
だったら、
歌の練習なんてする事、
ないんじゃねーの?」
オレの言葉に、今度は凛が
『うんうん』と頷く。
「日向も凛もー、
歌って物を全然、分かってないな~。」
未来が『やれやれ…』
と首を振っている。
…歌の何を分かれ、ってゆーのかが、全く見当つかない。
「確かにヒナタがよく歌っていたのは知っているけど…。
ただ歌うのに、一体、何を練習するっていうんだ?」
凛が首を傾げながら口にする。
…この空間で、オレと同じ気持ちなのは1人だけだけど、
『説明されなきゃ分からない同盟』があるのって
いい事だ…。
彼方先生なら絶対、
『話の進まない子猿組』とか言いそうだけど…。

