所が…

先生の言う所の
『理解力に長けた』
やつが目の前にいた。

「なるほどねぇー…

舞乙女としての
特訓って事かー…。」

未来は、自分の唇を指で触りながら
そう呟いた。

…未来が唇触ってるのを、そー言えばよく目にするけど…


多分、癖なんだな、これ。

ちなみに…。

凛は、よく右手で自分の左首の辺りを
無意識に触ってる。

兄貴は、
考え事してる時とか、
自分の頬っぺ触ってるのを、見かける。

彼方先生は…


…口が悪いのが癖…??

「未来は、今ので彼方さんの
話の意味が分かったのか……!」

オレが余計な事考えてる間に、
凛が素直な感想を述べて
驚いている。

「凛はーぼくの事、ただの
『俺の素敵なお兄様ー』とでも思ってたのー?」

「あのなあ…未来…。」

疲れたように凛が溜め息をつく。