「でも…何でいきなりカラオケ…?」

「歌の練習ですよ。」

兄貴が先生の代わりに答える。

…って事は、
兄貴も提案してる側にいる訳か。

「…お前には、いずれ舞乙女として歌う時が必ず訪れる…。」

うんうん。

「ヒナタは、よく1人で
『歌う為の』練習をしていた。」

うんうん。

「…以上だ。」

思わず肩からガクッ!と
いきそうになった。

そんなオレの様子を、
しらっ…とした目で見て…

「…理解力が足りない子猿だ…」

「アホかっ!!

今ので
一体、何を分かれっつーんだ!!!」

どんだけ、説明嫌いなんだ、こいつは…。

兄貴は兄貴で
体を縮めて、口元を押さえてクスクス笑ってるし…。

…多分、
先生の相変わらずさ加減が
ツボに入ったんだろーな…。

凛の方を見ると、
オレ同様、いまいちよく分かってなかったらしく、
ガクッと頭を下げてる。

うん、これが正しい反応だよな…。