「ひーなたー♪
おっかえりー♪」

学校の門の前で、呑気に声をあげながら

こっちに向かってヒラヒラと手を振る未来を見て………

オレは、その場で転けそうになった…。

ななななんで、
あいつはっ!!

こうもオレの予想を上回る登場の仕方すんだよっ!!!!

「ひーなたー!!

そんな所で転んだらー、危ないよー??」

下校途中なのは
オレだけじゃない…。

すんげーじろじろ見られてんじゃねーかっ!!

「ひーなたー!!

遠くから見てもー

ちょー、かーわいーいよー♪」

「わあぁあぁあぁ!!」

正門まで一気に走り、未来の腕を掴む。

そのまま、半ば引きずるようにして

近くの公園まで駆け抜ける。

お、オレって…

こんなに…足…速かったんだ………。

「大丈夫ー?」

のほほんと声をかけてくる未来を睨んで思いっきり怒鳴りつける。

「何で、また来んだよっ!!!!

お前、学校に来る必要ねーだろっ!」

「えー?

ぼく、凛の保護者だしー

この学校にとってー、ぼくは無関係者って訳じゃー…。」

「そーゆー問題じゃねー!!!!!」

肩で息をしながら、呼吸を整える。

全速力で走った後に続けて大声出したから…
苦しい…っ!!

駄目だ…!未来のペースに引き込まれる訳には…!!

「大体、凛は今日、休みだろっ?

なんで、学校に来たんだよ…」

「んー……

ぼくが日向にー、会いたかったからっ♪」

こ、こいつ……

がくり…と地面に
しゃがみこむ。