虹色の騎士団

そんなオレの
密かな「心の葛藤」には

全く気付かず…。

いや、
気付いていたとしても

構う余裕すら

今の2人には
ないのかもしれない。


もーこーなったら、
黙ってるしかないよな…。

しかし、
中身は分からないけど
喋ってる内容を
ただ聞いてるのも

なんとなく礼儀に反するよーな気がしたので、

オレは
なるべく
「聞かない努力」をした。

どう努力したんだ、

って聞かれると
正直、困るけど…

強いて言うなら…

体をソファーに
深く沈めて、

2人の視界を邪魔しないよーにしつつ、

目の前の
飲み物と お菓子に
オレの興味を
集中させた…ってとこかな…?


所が…。

「んぐうぅうぅ~!」

何も、今、
そんな大音量で
鳴り響く事、

ないじゃんかよぉっ!

突然、鳴り響いた
オレの腹の音は、

2人の真剣な雰囲気を
ぶち壊しに出来るだけの

音量と
間抜けな音色で
響きわたった。