虹色の騎士団

「のぼせた~……!」

兄貴が出ていった後、
『もー上がる』
って言ってんのに、

未来が
『だーめ。
ちゃーんと100まで数えないとー』
とか言って

湯船から出してくんなかったから…。

大体、
オレの方が先に浸かってたんだから、

100も数える必要なかったじゃねーか!!

「大丈夫か?」

ソファーで
ぐてーっとしてるオレに、
凛が冷たい水を持ってきてくれる。

「あー…さんきゅー。」

髪をタオルで拭きながら
未来がリビングに歩いてきた。

「はー、気持ち良かったー♪

楽しかったねー日向♪」

どこがだよ…。


「凛も、
お風呂お呼ばれしてくれば?

気持ちいーよー!」

「いや、
俺は家で入るから…。」

時計から、
7時を伝える音楽が鳴り出す。

あれ…
そー言えば…

「未来、仕事は?

今夜は休みなのか?」

「あー、
いーのいーの。」

凛が、未来にも…と、
持ってきてくれた水を
一口飲む。

「ぼく、もーホストじゃないから。」

結局、辞めたのか…。