「まーた今日も少女漫画読んでんの?」
「そーだよー」
「飽きないねえ…そんなにいいの?」
「いーよー!というかやばいよ!!?あのね、すっごい爽やかでイケメンなヒーローがね、実は俺様ドS系だったの!!今までの爽やかヒーローくんも良かったんだけど、俺様系もやっぱ王道でかっこいいなあって…でね、すごいのはここかr」
「あーはいはい、わかったわかった」
興奮していた私を遮るように、友人が言葉をはさむ。
最早日常茶飯事だ。
「ちょっとー、遮らないでよ!折角ノってきてたのにー」
「ごめんごめん。でもさー、あんたこれからもずっとその調子なワケ?」
「……というと?」
「いや、だからさ。ちょっとは現実にも目を向けなよ。確かに少女漫画とかのヒーローだって格好良いけどさ…結局は二次元なんだよ?生きてないんだよ?一度しかない青春、それでいいの?」
「いいし!私幸せだし!というか彼らは私の心で生きてるんだし!!」
「…そうですか」
―――――プルルルル
友人の携帯が鳴る。
「あっ、彼氏からだ。ごめ、先帰るね」
「…ん、ばいばーい」


