授業中だっていうのに、自分の行動を振り返った俺は、つい自虐的に笑いそうになってしまう。


いけね。


いくらツマンナイ授業だって言っても、真面目に受けてるフリはしておかなきゃな。


とはいえ。


チラリ、と視線だけで教室の様子をうかがった俺は、あやうくこぼれそうになった溜息を唇を引き結んで飲み込んだ。


教壇の上で、白衣を着た物理教師が柔らかな物腰で解りやすい授業をしているってのに、チラチラと俺の方を振り返っては小さな手紙を回したり、隣に耳打ちしたり。


珍獣扱いは慣れてるつもりだったけどなあ。