「ちょっ、久我くん!?!?」
ももの焦ったような声が聞こえる。
俺は後ろを振り向かず走った。
後ろを見たら...ももを離してしまうような気がして。
「もも!?!?」
安田の叫ぶ声も耳に届いた。
『もも』...?
安田、『もも』って呼んでるのか?
「何だよ、それ」
俺は自分にしか聞こえない声で呟いた。
俺以外の他の男が呼び捨てで呼んでいる。
たったそれだけのことなのに、俺の頭は安田への嫌悪感でいっぱいだ。
自分勝手な理由で人の性格を判断してはだめだと分かっている。
だが、もう俺の気持ちは止められない。
それほど、お前が好きなんだ、もも。

