「繚さ、板垣さんのこと、好きみたいなんだよね」
安田くんは私の耳に口を寄せて、確かにそう言った。
「松居くんが...瑠香ちゃんを!?」
びっくりだ。
でも、松居くんと瑠香ちゃんって話したことないよね。
「高校入学のときから好きだったらしくてさ。一目惚れ。で、今年同じクラスだから話しかけたってわけ」
板垣さん、アニメとか好きなんでしょ?本当はあいつ、そういうの全然分かんないんだけど、
板垣さんと話すために、いろんな人に聞いて読んだり見たりしたらしいんだよね、と安田くんは私に教えてくれた。
「そんなに、好きなんだねぇ」
好きな人と話したくて、その人の趣味に興味を持つ。
それって、とてもすごいことじゃない?

