「ごめんごめん、待った?」
飲み物も買い終え、教室へ戻り席に座って瑠香ちゃんを待っていると、それから10分後に帰ってきた。
待った?って......。
「...私を1人で置いて来やがって」
私、どうしたらいいか分かんなかったんだから!!!!
キッとにらむと、瑠香ちゃんはおーこわいこわい、と私から目をそらした。
「あれ?でも、それでよかったこともあったんじゃないの?」
「...はっ!?」
何、それどういう意味...。
「周りが騒いでたよ、ももと久我くんが楽しそうに話してたって」
よかったじゃーん、と瑠香ちゃんは私を見て笑っている。
「なんで....それっ...!!」
ただ話してただけなのに、騒ぐってホントにどういうこと!?!?
「未だに分かってないのね、久我くんってあの顔だからモテてるんだよ」
瑠香ちゃんの話によると、いつも無表情であまり話さないところから、近寄りがたいと思われているという。
そして、そんな久我くんが笑った姿を見たせいで、ザワザワしていたのだ。