「うるさいわ。声がでかい」
耳を押さえて顔を歪ませる久我くん。
「あ、ごめんっ」
思わず謝る私。
それが面白くて、2人で顔を見合わせて笑った。
それから、たわいもない話をしていること数分。
いつの間にか駅に着いていた。
「じゃあ、俺行くわ」
久我くんはそう言って、元来た道を戻ろうとした。
「...えっ??電車乗らないの?」
駅まで来たんだから、電車に乗らないと帰れないはずなのに。
「俺、学校まで徒歩だから」
久我くんは普通にそう答えた。
「じゃぁ、何で駅まで...?」
疑問に思って聞き返すと、久我くんはさも当たり前かのように言った。
「は?俺、駅から家近いから。どうせ通り道だし」
でも私は見逃さなかった。
少し、うつむき加減に言っているのを。

