「そろそろ、お腹すいた~!」
「じゃあフードコートでも行く?」
「うん!」
フードコートに来たけど、人がいっぱいだ。
「凄い混んでるね。」
健人と目があった。
これは、やる気だ。
「なあ、椎名と三島?
どっちが早く席とれるか勝負しようぜ?」
「いいね~!
私たち負けないよ?
席が空くまでその人を睨み続けるもん(笑)」
それって、子犬のお願いにしか見えないよ?
「じゃあ、席取ったら、グルにLINEね!」
そうやって男女別のゲームが始まった。
「健人!行きますか!」
「だな。
あれよくね?」
さっそく、ターゲットを決めたそうだ。
「腹減った~!
席空いてねーの?
ねぇ、ひーくん不機嫌になってないで、
席探してよ。」
「…」
いつも通りに行う。
すると、
「あ、ここ空きます。
良かったら使ってください。」
「わー!ありがとう!
ほら、ひーくんも!」
「あ、ありがとうございます。」
いつもこんな方法でGETしている。
グルにLINEしたら早すぎって驚かれた。
それもそうか。
健人がクールな俺様系を装って、
俺が可愛い系を装って会話をするだけで、
メイクの濃い高校生?か、大学生が譲って
くれるから。
我ながら卑怯な手だ。
健人が背が高いお陰で高校生に見られる。
だから、昔、
「健人くんって言うんだ~!
カッコいい~!
ねぇ、アド交換しよう~!」
うざったいやつに絡まれたこともある。
だから、偽名で(笑)
我ながら徹底してますな。
そして、健人の凄いところは、譲ってもらった人にさりげなく微笑むこと。
これでただの不機嫌野郎じゃなくてほとんどの女が頬を赤らめる。

