「で、何だっけ?友達…だっけ」


「……っ!!?」
雪の冷たさのおかげてクールダウンした私の身体は、その一言で一気に熱くなる。


「ぼくで良ければ、友達…なるよ?」


「え」


「え…って、君から言い出したんでしょう?」


「そ、そうだけど…。え、っと…友達……そっか友達かあ………」


半ば勢いに任せて言ってしまっただけなので、まさかこんな展開になるとは思わなかった。


「ふふ、よろしくね?」


「…う、うん!!」


「じゃあまずは自己紹介、だね」


「あっ、えっと私の名前は………」


「知ってるよ」


「…………はっ?」


ど、どういうことだろう。
ちょっとわからない。
というかかなりわからない。


「何を…知ってるの?」


「君の名前」


「いやいやいやいや」


まず状況を整理しよう。
今日はクリスマス。
街を歩くリア充さんたちを見ているのが辛くて私は1人この公園に来た。


そこで出会ったのは、
儚い雰囲気を纏った彼。


勿論、初対面。


それなのに私の名前を知っているということは…。