少し時間は遡って…

早朝から冬哉と小学校以来からの幼なじみ六呂師 勇太(ろくろし ゆうた)と信州のゲレンデで出会った桝水 姫華(ますみず ひめか)の3人はまだ誰も踏み入れていない雪原の上にいた。

それは前日に冬哉が突拍子も無い提案をしたからだ…

ファミレスで明日の準備も兼ねて3人で食事をしていた時の事…

「…明日、白馬へ行く前に朝一番で『道路越え』しない!?」

何の前触れも無く言うのは冬哉のいつもの癖だ…

…その日、天気予報では信州全域は大雪と出て明日になれば極上のパウダーが味わえるのとフカフカの雪ならば多少なりの無茶が出来るっ!!

…が冬哉の考えだった。

…それに以前、『道路越え』に最適な場所を発見していた事もあって事前に角スコップを購入していた程だ。