今はHR、俺は一番後ろの席で隣の席がいない。
陸斗は俺の前。
陸斗の隣の席はメガネをかけている清楚系女子。
けど陸斗のファンらしく、いつも陸斗に熱い視線を送っている。
俺は一番後ろの窓側、隣がいないだけあって楽だ。
今日もボケッと窓の外を見ていると、担任の谷口 渉(タチグチ ワタル)が珍しくニコニコ笑っていた。
青のかかった短い髪、身長は俺と同じくらいだろうか。
美形先生と呼ばれている彼はクールであまり話さない。
教師やってんならベラベラしゃべれるやつのほうが良いのに。
そんな谷口先生が、笑っている。
微笑んでらっしゃる。
女子達はその珍しい光景に目がハートだ。
と、谷口先生がニコッと口角を上げた。
「この時期に珍しいが、新しい生徒が来るぞ。転入生だ。」
て、転入生…。
「センセー、女?男?」
と、前の席の陸斗がガタッと椅子から立ち上がり、興味津々で聞いた。
「女子だ」
俺と陸斗はもちろんショック。
二人同時にため息です。
けど、他の男子は気合いが入ったようで。
「いつも陸斗と優里にとられるからなぁ」「ターゲットはその子だな」「今が青春って時期だからな」
「「「「「今がチャンス!!!」」」」」
どこかのCMで言っていたような台詞を一声に言う男達。
「ったく、ばかやってるな。もう来てるんだからもっと愛想良くしろよ」
谷口先生は飽きれ顔で忠告すると、ドアに歩いていった。
「入っていいぞ」
先生は静かにドアを開けた。


