まだ橘さんは来ていなかったので、見つけやすいように出入り口付近にいることにした。
立ち読みをして約10分。
淡い色の赤いマフラーを首に巻き、大きいボタンのついている茶色のコート、黒いブーツをはいている。髪は一本に結ばれていて、スッキリした感じの橘さんが来た。
橘さんの私服はとても可愛らしいもので、美人な彼女にとても似合っていた。
周りの人も俺と同じで、橘さんに見惚れているようだ。
「あ、坂井さん」
俺に気づいた橘さんは、小声で呼び、小走りで来てくれた。
俺は軽く手をあげると、図書館のなかで人気のない場所へと連れていった。
「話って、透のことっすよね」
席に座り、小声で話しかけ、透のことか確認する。
「あ、はい。透が、交換ノートで話してくれて…」
なるほど
すると、急に橘さんがガクッと首の力が抜けたように落ちた。
「橘さん!?大丈夫っすか!?」
すると、ムクッと起き上がり、「ッシシ…」と笑った。
「僕だよ、透。どうも、坂井優里君」
冷めた口調、透だ。
「橘さんと話したかったんだけどな…」
クスッと笑うと、透はムッとした顔で腕を組んだ。
「ひなには敬語なくせに僕はため口って、軽い差別だけど」
「あぁ、ごめん。じゃぁ、敬語で話すか?」
「それもそれで気持ち悪いからやめて」
何で怒られてるの、俺…。


