「はい、坂井です」
受話器をとって出てみる。
『あ、橘です。優里さんいますか?』
え…。
受話器から聞こえたのは、心地良い綺麗な声の女の人…。
受話器から耳を慌てて外し、電話を切ろうとしたが、記憶を戻してみると、「橘」と名のっていたことを思い出した。
って、橘さん!?
「あ、えと、ひゅ、じゃなくて…ゴホッ、優里っす」
思いっきり動揺して噛みまくる俺。
何で家電知ってるんだろうとか思ったけど、よくよく考えてみれば連絡網というものがあったのに気づいた。
それより、どうしたんだ?
『あ、坂井さんでしたか!えと、休日にごめんなさい、今日って予定とか何かありますか…?』
あたふた緊張して言う橘さん。
「特に…ないっすよ」
『あ、そしたら、今日会えますか?話したい事がありまして…』
話の内容の予想はつく。
透のことだろう。
俺は大丈夫と返事をすると、近くの図書館に来てくれと言われた。


