次の日。
橘さんは校門の前には立っていなかったので、教室に行ってみると、神崎と二人で仲良く話していた。
「まとも…かどうかはわからないけど、いい友達ができたんじゃない?」
「あ、あぁ、そうだな」
確かに陸斗の言う通り、まともかどうかはわからない友達ができたらしい。
雰囲気も良いし、穏やかに話している。
お互いに話して相手を認識することは、良いことであり、必要なことでもあるからな。
それに、早めに友達を作らないとボッチ街道まっしぐらだ。
昨日、神崎が話しかけてくれなかったら、今日も校門の前で待っていたんだろうな。
二人をしばらく眺めていると、陸斗が俺の脇腹を肘でつついてきた。
「あれれ?王子も橘さんに惚れちゃった感じ?」
ニヤニヤと何ともうざったらしい。
「昨日はビクビクしてたのに、いつものうざったらしい陸斗か」
「え、ひどくない?」
涙目でこっちを見るな。
と、いつの間にか橘さんと神崎が目の前に立っていた。
「うお、いつのまに…」
陸斗のオーバーリアクションはほうっておこう。
「おはようございます」
深々と頭を下げて挨拶する橘さん。
「り、陸斗君…おはよ」
陸斗君に真っ直ぐな神崎さん。
「ドアの前で話すのはなんだし、席に行こう」
陸斗は、神崎の挨拶の返事の変わりにそう言い、二人をエスコートした。


