「あ、あの、坂井さん、小林さん。」
突然、橘さんが気まずそうに目をそらして話しかけてきた。
「どうしたんすか?」
「友達が坂井さんと小林さんしかいなくて…その…一緒に教室まで行きませんか?」
なるほど。
昨日転入してきたばかりだ。
橘さんならすぐに友達がでいると思っていたけど…。
俺たちは、女子の歓声でいっぱいになっている廊下ゾーンをクリアすると、教室のドアの前に立った。
「今日は早めに来てないからな…昨日より女子がたくさんいるぞ。それに…」
俺は勢い良くドアを開けた。
「「「「「「た、橘さああああん!!!!!」」」」」」
それに、皆が橘さんのファンになったみたいだ。女子も男子もこんな調子じゃぁ、友達も作りたいとは思わんだろうな…。
「あ、あはは…。」
思わず苦笑する俺達。
「じょ、女子にも人気があるって疲れちゃうね、橘さん」


