少し髪の毛が跳ねている眼鏡をした少年はとある病院の屋上のフェンスの上に腰をかけていた
風が吹く度に 黒い少年の髪の毛は揺れていた
ここに来ては空を眺めてぼーっとするのも 外にいる病人たちを眺めているのも 彼の日常だった
ずっとこんな日常が続くものだと少年は思っていた いや、願っていたのかもしれない
けれどそんな日常は終わりを迎えようとしていた
先程医師に告げられた余命宣告
16歳の少年には早過ぎる 宣告だった
「もってあと半年…」
生きる理由はもとからなかった
だからどうでもいい
今ここで人生を辞めても……
「君は何時もそこにいるな」