ある秋の日、風は小鳥を追いかけて森に来た。


光りが宝石の様に煌めきながら差し込む森に来た。
とても嬉しくなった。

それから小鳥達と遊び続けていたが、 いつからか視線を感じるようになった。
確か…あの木陰だった筈だ。
ふと目を向けると黄色く輝く何かがあった。
「あれは、何?」
不思議に思って小鳥に聞いた。
すると、皆が声を合わせて言った。
「「「忌まわしい黒猫の目だよ。」」」


あの日から3日間、小鳥達の声が耳を離れなかった。
『忌まわしい』
その言葉に込められた感情に。

どうにかしたくて、小鳥の居ない時を狙って黒猫に話しかけた。
「貴方は、寒くないの?」
「……俺に話しかけるな。」
そう返ってきた黒猫の声は、どこか悲しそうだった。