「兄さん?」


「…………。」


「ちょっと兄さん!」


なんの反応も示さない兄のもとに、しびれをきかせた私は寄っていく。


あわや私の手が兄さんの肩にふれるか…というところで、


「………!!」


頬を真っ赤に染めた兄は、大きな音をたてながら慌てて椅子から立った。