「よっ!」

「あ、片桐くん!」

数学部の準備教室に入ってきたのは高校2年生の片桐隼人先輩。よく部室に遊びに来てたから知ってるんだ。
模造紙を丸めた私は片桐先輩に…

「うりゃー」

「…」

え、片桐先輩、無視…
ひどくないですか?
でもそんなことじゃへこたれない!
もう一回…

…あれ?片桐先輩の後ろにいるのは?

んーまあ誰でもいいか。
とにかく構って欲しかった私は片桐先輩について来ていた知らない先輩に…

「うりゃー」

「うわ〜!」

え…初対面なのに乗ってくれた。
自分でして自分でびっくり…

「…」

「…」

二人の間に起こった沈黙…

「えっと…」

言葉に詰まった私はその人の顔を見て

かっこいい…

一瞬で恋に落ちた。