もう、昇格試験なんてどうでもよかった。 落ちたらどうなるかなんて考えもしなかった。 夕闇や、他の奴らのことも、頭から消えていた。 わかるのは、いま、柚美を抱きしめていること。それだけ。 ただ、柚美だけを求めたい。 おれは愛しい彼女の額に、そっと、キスをした……