呆然とするおれの目の前で、彼女はゆっくりそれを拾い、砂を払ってから、おれに手渡した。 「はい。あたしを殺しに来たんでしょ。……だけど、その前に、ちょっとだけ話聞いて。最期のお願い、だから」 「どうして、殺しに来たって……」 思わず呟いたおれに、柚美はとんでもないことを言ってのけた。 「分かっちゃうんだ、あたし。……あたし、超能力者だから」 厄介だ、そう思った。 だけどそれから、もっと厄介なことに気付いた。 そう、おれは……