「俺さ、ヒロちゃんが教室に来てくれたとき、嬉しかったんだ。」 冷静さを取り戻した先輩がぽつり、ぽつりと言葉を落としていった。 「だけど、吉澤君につれられてどこに行っちゃうから。 俺、どうしてもヒロちゃんに言いたいことあったし… 呼び止めようと思ったんだけど。」 ……タイミングが悪かったのかな、 多分先輩はアタシたちが抱き合うのを見て、声がかけられなかったんだろう。